車掌の醤油ラーメン。
ラーメンの3種の神器とは、
チャーシュー、シナチク、それとナルトであるとワタクシは、兼ねてより思っております。
特に声を大にして言いたいのは、最近のラーメンにはナルトが入っていない。
何故だ!と叫びたくなります。そもそもナルトというものはラーメン以外であまり見たことがない、
おでんにナルトが入っているか。うどんにおかめはあっても、渦巻きはない。
正月のおせちは紅白のかまぼこで、ナルトなら1本あれば事足りるというのに、まず、おせちにナルトはない。
この状況をなにもせずにこのままほっぽっておいてはナルトが絶滅してしまうのではないか。
今こそナルトの保護に乗り出そうではないか。
絶滅危惧種としてワシントン条約で守るべきではないのか、ドン!机をたたく音。ワタクシはそう思います。
という訳で、私、ラーメンを作りました。コンセプトは昔ながらの支那そば。
スープは鶏ガラと手羽先で、沸騰させずにコトコト6時間。仕上げに昆布を一枚加えて風味付け。
醤油タレは煮切った日本酒と同量の醤油を合わせ、1/2になるまで煮詰めた「煮切り」です。
この「煮切り」お刺身や、お寿司を食べる時に使うと醤油ほど味がするどくなく、
まろやかで魚介の臭みも消してくれる優れものです。是非試してください。
また、ローストビーフのソースにも使えます。その場合はホースラデシュをすりおろして、
市販のチューブのものでも大丈夫です。和風スパゲティの味付け、チャーハンの味付け、切りがありません。
話を本題に戻して、麺はストレートの細めの乾麺です。
何故乾麺なのか? その理由は生麺と違い、よけいな保存材や添加物が使われていないものが多いということです。
自分で麺を打ったこともありますが、労多くしてなんとやらで、挫折しました。 麺の話は簡単に済ませて、具の話です。キッパリ!
チャーシュー、といってもラーメンの場合は煮豚です。
これは、「なんちゃって真空低温調理』の煮豚にしています。
作り方は、網を敷いたバットに塩をまぶしたバラ肉をのせ、ラップして一晩。
ラップで回りをグルグル巻きにして(空気を押し出すように)、ここがなんちゃって真空のところです。
ラップを巻き終わったら、ジッパ付のビリール袋に入れて中身がぬれないよう(ここが大事)にして、
IH調理器に湯をはり、温度を75°に設定。肉が浮いてくるので、
一回り小さなお皿(ここが大事その2、完全に蓋をしてはいけません、温度が上がっちゃいます)で蓋をして、
500gの肉だったら約30分。ジッパの袋のまま素早く、氷水に入れて冷やす。
とにかく冷やす。なにしろ冷やす。完全に冷やします。
この煮豚、切ると中はあくまでピンク。生のようでいて生ではないという微妙なピンク色になれば成功です。
この煮豚もいろいろ利用できます。カルボナーラのパンチェッタの変わりにもヨシ。チャーハンにもヨシ。
そのままわさびをつけておつまみにもヨシ、これを寿司のタネにして握ってもいいですねー。これまた一度お試しください。
シナチク。メンマというより私はシナチクの方がしっくりきます。一頃「支那そば」という言い方は差別であるといわれました。
そんな頃でもシナチクは文句を言われませんでした。なぜでしょう。意味的には同じなのに。
「支那チク」と書かないからか? マ、そんな話は別にしてとにかくシナチクです。
これは近所のスーパーで売っている醤油味のシナチクです。一度水に浸してよけいな味を抜きます。
そしてラーメンのスープより若干濃いめのスープに浸して味をつけ直します。
考えてみれば、このシナチクもラーメン以外にあまり見ません。中華の炒め物に使われている訳ではないし、
そもそも中華料理では、あまり使われていないようです。なぜ。日本で、ラーメンで使われるようになったのか。
これを本格的に作るとなると大変です。塩漬けのシナチクを水で塩出し、何度も煮てやわらかくして。とにかく手間がかかって大変なんです。
でも良かったですね、シナチクはどこのラーメン屋さんでも活躍していますから。
そしてナルトです。本当に最近のラーメン屋さんでは見なくなりました。ナルトが何故、ラーメンに必要なのか?
上の写真のどんぶりを見てください。
角々の雷文が見えますねー。
その角を丸く取ってやさしく見栄えを良くしてくれるのがナルトの存在なのです。ドン!再び机をたたく。
このナルトなくしてラーメンのデザインは完結しないのです。
続く